2012年6月27日水曜日

必要条件と十分条件

今日はマジメな教育論を一つ。
みなさん必要条件と十分条件という言葉をご存知でしょうか。
この言葉、高校数学の数学Aという分野に含まれている、高校生があまり好きでない単元の一つです。

まず、このお話をする前に、命題という言葉を説明しなければなりません。命題というのは、正しいか正しくないか判断できる議論のことを言います。

一般的に数学の世界では、何をあてはめても成り立つ場合、それを真、つまり正しいといい、何か一つでも当てはまらないことがあれば、それを偽、つまり正しくないといいます。

ここにAならばBという命題が存在していたとします。
この命題の真偽を考えた場合、例えば、Aという条件を満たすならばBはすべて成り立つということ、つまり真としておきます。また、Bという条件に対してAはいつでも成り立つものもあるがいつでも成り立っているというわけではないとき、この場合AはBに対する「十分条件」といい、BはAに対する「必要条件」といいます。
十分条件Aを満たす内容であればいつでもBが成り立ちますが、必要条件Bを満たす内容であったとしても、Aが成り立つとは限りません。

また、Aという条件を満たすならばBはすべて成り立つという前提で、Bという条件のもとAをいつも満たしているのであれば、AはBの必要十分条件といいます。

少し、文章が長くなってきたので、図で説明を。




まあこんな感じですね。

これを受験というものに置き換えて考えてみましょう。

例えば、参考書を選ぶとき、「東大生が選んだ東大に受かる参考書」なるものがあったとします。
この参考書を買おうか買わまいか迷ったとして、この参考書をやるならば東大に受かるという命題を作ったとします。この場合、参考書をやる=A 東大に受かる=Bとします。

作っている側は、東大に受かった人たちが選んだものをピックアップしているだけですが、実際に東大に受かった人しかいないわけですから、BならばAが成り立っているものとしましょう。では東大に受かるならば、この参考書をやるという目線で考えるとどうでしょう。東大に受かっている生徒全員がこの参考書をやっていればそれは真となりますが、やはりそうではないので、偽となります。
つまり、参考書をやるということは必要条件であり、東大に受かるというのは十分条件となります。

なるほど、先ほど述べたように、十分条件を満たしていれば、必ず成立しますから、その条件はと・・・・、東大生であること。いやいや、まだ受かってないですから。参考書をやるということは必要条件に過ぎないのです。

といった具合に、実は買う側の目線に立ってみれば、必要条件であることばかりで、十分条件を満たすような参考書なんてこの世に存在しないのかもしれません。ましてや、必要十分条件になる参考書なんてもってのほか、見つかるわけもありません。

そんな参考書があるのならば、ぜひ教えていただきたいですね。

参考書は十分条件を満たさない限り、受験に合格するため一方法であり、その方法が万人に当てはまるというわけではありません。

これを突き詰めていけば、教育が方法論となってしまい、子供は考える力を失っていきます。
できれば、その方法というのは自分で発見し、オリジナリティーの持ったものであってほしいと願います。そのヒントをあげるのが、塾講師の役目であり、参考書の役目であってほしいと私は願います。と同時に、プラウダスが、合格のための必要十分条件となる塾になれるよう日々努力していきたいと思います。

みなさんも参考書を選ぶことがあったら、自分にとって必要条件なのか、十分条件なのか考えてみてくださいね。



2012年6月24日日曜日

二進法って便利 麻布中学の問題からの発展2

さて、前回は二進法が十進法より情報量が少なく確実に表現できることをお伝えしました。
今回は二進法がデジタルの世界で、どのように使われているのか考えてみましょう。
デジタルは大ざっぱに言えば、0と1だけでできる信号をコンピューターに伝える技術です。具体例に「色の表現」を使いながら考えていきましょう。

色は光の三原色、色の三原色にに分けることができます。光の三原色はテレビやパソコンなどのディスプレイで用いられるもの、色の三原色は絵の具で用いられるものです。

パソコンのディスプレイなどでは光の三原色が用いられており、その三原色は、赤、青、緑の三色です。これら三色の光を混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど、光の持つエネルギーが大きくなるため、加法混色と呼ばれています。このとき、これら3つの色が混ぜ合わさった色を白色、何も混ざってない色は黒色になります。

この光の三原色を用いて各々の色の光の強さを調整し、混ぜ合わせると、ほぼすべての色を表現することが可能です。

現在では調整の度合いが、それぞれの色で0~255までの256段階となっており、赤も256通りの赤が選べ、緑色も256通り、青も256通り選ぶことができますから、この方法で表現できる色は実に
256×256×256=16777216通りにもなり、これを「フルカラー表示」といいます。例えばB(青)102 G(緑)102 R(赤)224 とすればそれらが合わさったが表現されるということです。人間の目はおよそ、700万色~1000万色を認識しているといわれ、この表現方法で十分だということもわかっています。

画像を認識する際、まずその表示したい画像をピクセルという小さなスペースに分割します。
日本では例えば、縦を320等分、横を480等分した場合、この一つ分を1ピクセルといい、320×480ピクセルという表現をします。すなわち、これらの数字が大きければ大きいほど、細かく分けられており、画像が鮮明になるということになります。

そのピクセル一つ一つには各色をどのように表示するのかという情報が書き込まれておりそれをビットと呼びます。1ビットというのは0か1、赤色1ビットであれば赤を使う(1)使わない(0)の2通りの命令を受け取ることができます。命令はすべて0と1の数字を使う二進法でやり取りされ、その桁数をビットと呼んでいるわけです。8ビットであれば8ケタの0か1を使った数字で命令できるということになりますね。10110100という色は十進法に直すと128+32+16+4=190番目の色ということになります。8ビットあればある色を0~255の256段階で表現することができますので、三色ありますから一つのピクセルが8×3=24ビットあれば、人間は画像をきれいだと認識することができます。

実際はもっと三色の要素以外に、透明度の情報も持たせて32ビットとなっています。
印刷会社では、48ビットの画像を用いたりもしますが。

このようにして、このピクセル一つ一つに色を割り当てたものが画像として認識されるのです。
数字が情報になるって不思議なことですが、0と1を使えばこうも簡単に表現できるわけです。
とはいえ、コンピューターの進化があってこそのお話ですけどね。
みなさんも、二進法の世界に一歩足を踏み入れてはいかがでしょう。

2012年6月22日金曜日

二進法って便利 麻布中学の問題からの発展1

この麻布中学の問題、111111111111のように1や0しか使わない数は二進法で出てくる数字です。ここで出てくる111111111111は十進法の数として出ていますが、テーマを変えて1と0しか使わない数字、つまり、2進法について考えてみましょう。
2進法は小学5年生の後期で学習しますが、どんなものだったのか、まずおさらい。
普段の生活で使う数字は10進法と呼ばれるもので、0~9までの数を使ってすべての数を表現する技法です。0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11・・・。10は1と0の数字を使って表していますよね。
その他に、1日は24進法(場合によっては12進法)、時間は60進法で数えたり、知らず知らずのうちにいろいろな数の数え方が生活にしみついています。
要は、何を束にするのかということです。5個を1つの束として考えていくのであれば5進法ですしね。2進法というのは2個を1つの束として数えていく方法で、2つ集まると1つと数えますから、使う数字は0と1のみになります。
例えば、1は2進法では1、2は2進法で表すと、束が1つできているので繰り上がって10となります。
同様にすると3は11、4は100となります。このとき、数字は百とか十一とか読まないようにしてくださいね。その読み方は10進法のものですから、イチゼロとかイチゼロゼロとか読みます。
ざっくり話せばこんな感じです。

二進法は、コンピューターの世界では必須の数え方です。所謂、「デジタル」と呼ばれるもので、現代には欠かせないものとなっています。
デジタルはコンピューターに「1と0の信号」で命令することです。
情報をやり取りする上でミスは致命的です。
コンピューターが数字を処理する場合、認識するという意味で、十進法で処理することはより高度であり、かつミスが起きやすい方法です。
例えば、2ケタまでの数を表示するためにランプを使って表現することを考えます。
これを十進法で表現するためには、十の位の0~9の数字を表現するための10個のランプと一の位の0~9の数字を表現するための10個のランプの合計20個のランプが必要になります。
これを二進法で表現するためには、上の図からも分かるように7個のランプで済んでしまいます。


上の図を見てわかるように、ランプ=命令と考えると、二進法の方がはるかに少ない命令でたくさんの数字を表せることがわかりますね。二進法を十進法に直す作業が面倒くさいじゃないかという話も出てきますが、それは人間目線であって、コンピューターは本来計算するのが得意ですから、命令を受け取ることに比べれば、計算することなんて容易いことなんです。



2012年6月21日木曜日

解答のお時間です。

(1)

どうだったでしょう。実際に割り算をしてみれば割り切れるか割り切れないかすぐに判別はつきます。筆算をして気づくと思いますが、1が12個並んだ数を割り切る1しか使わない数は12を割り切る数だけ1を並べたものに限ります。
ということは、12の約数である、1,2,3,4,6,12個、1を並べた数はすべて約数になります。

答 1、11、111、1111、111111、111111111111は約数で、それ以外は約数ではない。

(2)

まず、考えなければいけないのは、約数の約数は約数であるということ(①)。
んん?とお思いの方はこういうことです。
例えば、18の約数の1つである9について考えます。また、9の約数には1,3,9が考えられます。この9の約数はすべて18を割り切ることができるので18の約数が9の約数になっていることが確認できました。
もうひとつ、元の数を約数で割った商も元の数の約数となるということ(②)。
例えば、28の約数の1つである4で28を割ってみると28÷4=7となります。この7という商は・・・、28の約数になっていますね。これは検算してみるとわかりやすいでしょう。28=4×7という式からも分かるように、28という数は4と7の積で表せますよ~ってことですね。言い換えれば4と7で割り切れますよ~ってことです。

さて、本題に。
(1)で111111111111の約数である1,11,111,1111,111111,111111111111を考えました。
②の考え方を用いて、1と111111111111以外の数で111111111111を割ってみると、
111111111111÷11=10101010101 111111111111÷111=1001001001
111111111111÷1111=100010001 111111111111÷111111=100001
となって出てきます。
②の考え方から、ここで出てきた4つの商はすべて111111111111の約数ということになります。

今は7個列挙せよというお話ですから、あと3個考えなければいけません。
ここは①の考え方に基づいて、今出てきた商の約数について考えましょう。
すぐに約数が思いつきそうなものは・・・、10101010101です。この数の並び方から考えると、101と10101は数の規則的に思いつきそうです。実際に割り算すると、ちゃんと割り切れますね。
ということは、101と10101は111111111111の約数です。
あと1つ。
1001001001という数字に注目すると、上と同様に数の規則から1001で割り切れそうです。
割り算をすると、1001001001÷1001=1000001
となりますから、1001も111111111111の約数です。これで7つ求めることができました。

答 101,1001,10101,100001,100010001,1001001001,10101010101

算数が好きな子は割り算を習ったときに、こういう割り算だったらどうなるんだろうだとか考えながら、やっていそうなテーマでした。学習したことを鵜呑みにせず、これだったらどうなるんだろうと、いろいろ試行錯誤できていた人にとっては、なんだ簡単じゃんとなりますが、そうでない人は、無限そうに見える解答から、この7つの解答を出すことは難しいでしょう。まさに、差のつく問題でした。

2012年6月17日日曜日

1だらけ

今日は1だらけの問題です。



麻布中学校で出題された問題で、約数と倍数に関する問題です。
小学5年生以上の人はチャレンジしてみてください。

2012年6月15日金曜日

大学受験生のみなさまへ

国公立大学の受験を考えているみなさんへ、おすすめの参考書を。




なぜ京大なのか・・・
京大の過去問はそのほとんどが良問です。(中には悪問もありますが)
そして、テーマを持って出題されます。
なんといっても、京大の問題には誘導がありません。誘導とは、最終的な「解」にたどり着くまでに必要な考えを小問((1)、(2)・・・のような設問のこと)を与えることでその「解」に導いていくことをいいます。
数学の問題をたくさん解いていればわかることですが、実はこの誘導に助けられて問題を解答できていることがほとんどです。ですから、普段は誘導がついていて簡単に思える問題も、その問題の本質を捉えていなければ、誘導がなくなった途端に解くことができなくなります。解法の暗記だけではだめだということです。
京大は、解答までのプロセスをとても大事にする学校です。
そのプロセスは、絶対に思いつけないものではなく、与えられたテーマを理解することではっきりと出てきます。
京大だから難しい問題だらけなんじゃないかと思う方もいらっしゃるとは思いますが、むしろ京大だからこそ、数学の本質を捉える絶好のチャンスです。
この本には、問題別にABCのランクがついているので、ランクAの問題を完全制覇するだけでも数学力はかなりアップすると思いますし、国公立を目指す人ならば十分な演習になると思います。
文系の方も京大の文系数学というものがありますから、数学がある国公立大学を目指す人はぜひチャレンジして自分の数学力を磨いてみてください。

2012年6月13日水曜日

ポジティブシンキング

先日小学校低学年の子と九九の暗唱の練習をしているときのこと。
何度言っても7の段を間違えてしまうなかで、「ちゃんと言えるようになるまでずっと言ってもらうよ。」と私は言いました。そんなときの小学生のリアクションとしては「えぇ~。ダメだ絶対に無理だ。」などと返事がくることが定番で、この時もそういうリアクションが返ってくるものだと思ってその後にかける言葉も用意していましたが、この子は違いました。
「えぇ~。そんなに挑戦できるの?」
思わぬ返事に笑ってしまいました。なんてポジティブなんだろうって。本物のポジティブに触れた感じがしたのかもしれません。衝撃ですね。でもとてもいいことです。
今まで様々な生徒を教えてきましたが、自分にとって辛いこと(例えば宿題をたくさん出されるとか、たくさんの暗記をさせられるとか)を与えられると、やはりネガティブな返事がほとんどです。もちろんその後なんやかんや言いながらちゃんとやってくれるのも、小学生の素直でいいことなんですけどね。
恐らく私もそうだと思いますが、いつの間にか人は(特に日本人は)、自分をマイナスからのスタートに持っていってしまうように思います。できるかもしれないことを、できないといって万が一できなかったときの保険にするんです。そうすると楽ですから。
でも、できないかもしれないことをできるといって本当に実現してしまう人はいるもので、やはりそういった人たちはみな自分の可能性を信じています。
中学受験をする上で、辛いことはたくさんあります。みんなが遊んでいる時間に遊ぶことができなかったり、たくさんの宿題を毎回出されて、毎日宿題に追われてみたり・・・
それを嫌だと思わずに自分のためなんだ、これをやれば合格するんだという前向きな気持ちで取り組める子が、中学受験という高い壁を越えていくことができるんだなと思います。
まさに、ポジティブシンキング!
この子は絶対に伸びるな、うん。