さて、前回出題した問題の答は出たでしょうか。
普通に計算すれば、小学生(高学年)でもできそうな問題でした。
では、解説をしていきましょう。
まず、一問目
工夫を考える時間より、分配法則の逆を使って計算していった方が早い気がします。
が、ただの計算の解説をしても意味がないので、工夫を一つ。
実はこの問題、分母と分子の数に着目してみると、適当に数字が並んでいるわけではないことが
わかります。
例えば、分母が12の分数に関して、分子は5と7のものが出てきています。これらを合わせると5+7
=12となります。同様に、分母が11の分数に関しては、分子は7と4のものが出てきており、これも
合わせて11、分母が10の分数に関しては、分子が7と3で合わせると10になります。
どうやら、分母と分子が同じになる数=『1』に関係がありそうですね。
ということで、この計算の答をAとして1-Aの値を出してみます。
うまくいきましたね。
ただ、これを思いつくのはなかなか至難の業ですね。
思いつくためには、経験が必要です。
経験といってもこの問題を経験することではなく、数字を見て、合わせてみると12になったりとか、
発見する経験です。
この発想を思いつけないと思った人は、まだまだ、数字との戯れ方が足りないというだけで、今後も『思いつかない』というわけでもありません。
このような発想をできる人もいるわけですから。
高校生の問題や中学生の問題を解説していると、たまに、これは言われなければわからないなど
のネガティブな発言をする生徒がいますが、それは今の数学のその単元の知識の限界が近いと
いうことで、理解するためには、ある程度遡ってもう一度知識を身につける必要があります。
とはいえ、高校生にもなって小学生で学ぶようなことを一からやるのも面倒だな~ということで、解
法の暗記に走ってしまいがちになってしまうのも理解できますが・・・
実はそれはなんの解決にもなっていないんですよ。