今年もプラウダス伝統の20日間に渡る長い長い講習会が終わりました。
講習会になると、時間が限られているので、担当できる学年も限られてきます。
今回担当した学年(クラス授業で)は
小学校5年生 首都圏中学受験クラスA(20日間) 算数・理科
小学校6年生 首都圏中学受験クラス(20日間) 算数
高校2年生(15日間) 数学
高校3年生(20日間) 数学文理共通クラス、数学理系クラス
です。
いやはや、書き出すと少ないですね。
でも、このクラスを全部指導して、朝9時から夜10時までの長い一日が終わるんですよ。
授業間もそんなにスカスカじゃないんです(笑)
そんな講習会を私なりに総括してみます。
小学5年生 首都圏中学受験クラス
・ 算数
テーマ
前期授業の復習と中学受験への準備
総括
前期授業では割合や場合の数、整数の性質など今後の授業に欠かせないものを学習しました。
そこで、こぼれたものを後期に引きずってしまうと後期の授業以降がとても苦しくなってしまうので、生徒たちには頑張ってもらうしかありませんでした。
課題は各個人に設定して、その壁を授業時間内に克服するというスタイルで授業をしましたが、全員私が設定したノルマをクリアしてくれました。
発展講習では、1ランクアップを目指して、各々が目標としている学校に少しでも近づけるよう、実際の受験問題を集めたものを1人に1冊ずつ用意し解いてもらいました。
とても時間がかかる作業で、試行錯誤の連続、消しカスは大量にできていましたね。
予習シリーズを通常授業で用いていますが、予習シリーズはペースメーカーであり、やはり入試問題とは少し離れた存在であるので、今の時間を試すうえでも、生の入試問題にこの時期触れておくことで、今後の自分がどのように頑張っていかなければならないのか見えてきたと思います。
とても、充実した20日間でしたね。
・ 理科
テーマ
理科知識の暗記と引き出し方
中学入試問題に挑戦
総括
理科は社会とともに、若干なめられる教科です。
実際に模試を受けている様子なんかを見ていると
算数や国語は「時間が足りなかった」というのに対して、理科や社会は試験時間の半分以上も余らせて足をぶらぶらさせて暇そうにしています。
そして、返ってくる結果はというと、なぜか時間が足りなくて全部解けなかった算数や国語の方が点数がよく、理科や社会はケアレスミスで点数が悪いなんてことはよく見られる傾向です。
まあでも、それはケアレスミスではなくて自分の実力なんですが。
私が考えるに、理科は総合的に最強の教科だと思います。
知識はなければならないし、計算もできなければいけないし、文章もしっかり読んで時には記述しなければならないですし。
それらをしっかりと身につけさせることが目標でした。
① 使えない知識は知識じゃない
折角、理科の知識を身につけても、使えなければ覚えても意味がありません。というか知識がないのと一緒です。
知識を直接問う問題は、近年の入試問題では少なくなってきました。
むしろ、連想ゲームのようにその言葉にたどりつかなければ正解にならないような問題が上位校では好んで出されます。
例えば次のような問題 (実際に授業でも解きました)
サンゴが透明度の高い海で生活するのは、サンゴによってどのようなメリットがあるのか答えなさい。(渋谷教育学園幕張中学校2012年)
サンゴの生態についての長い文章を一通り読んで、その場で知識を身につけて解いていく問題の中の一つの小問です。
何が「連想ゲーム」なのかというと
問題文中に、サンゴの中には褐虫藻(カッチュウソウ)という生物が棲んでいて、その褐虫藻が光合成をし、その養分をサンゴがいただくことで生きていると書いています。
ということで、透明度が高い=光がよく届く=光合成ができるという連想をしなければこの一文にたどり着くことはできません。
このように、単に光合成という言葉を知っているだけでは太刀打ちできない問題があることを、しっかりと認識したうえで、連想ゲームのように知識を出していく練習を積み重ねなければいけません。
この点に関しては、20日間でだいぶ身に染みてわかってくれたかなと思います。
② なんとなく選択肢を選ぶな。
理科には記号問題が付きものです。その選択肢をなんとなく選んでいる子が最近は非常に多くなってきたように思います。
ですから、すべての選択肢に対して、なぜその答えを選んだのか逐一聞き、時間を懸けて選択肢を選ぶ訓練をしました。
なぜ時間を懸ける練習をするのかというと、それほど子供たちは時間も懸けず選んでいるからです。
そんな子に限って、入試本番で慎重に選択肢を選びすぎて時間が足りなかったということになるので、普段から考えて選ぶ訓練が必要です。
③ 理科は時間がない教科だ!
①、②を徹底してやると、③は必然的にわかってきます。
入試問題を解いていると、こうも時間が足りないものかと。でも①、②がおろそかだと点数も取れないし、ということで、①、②を高いレベルで維持し、尚且つ早く解かなければなりません。
理科という教科に慎重さが出てくればそれでOK。
①、②、③を踏まえて、この講習会はハードでしたが、そんな中よくついてきてくれたと思います。
2012年8月20日月曜日
2012年8月19日日曜日
ジュニア数学オリンピックの解説2
背理法で一番有名な命題を考えましょう。
この命題は、高校数学で背理法を学習する際に、必ず扱う命題です。
背理法とは、命題のいうとおりでないものが存在すると仮定して、その条件から導き出される新たな等式が矛盾していることを示す方法です。下に、ざっと証明してみました。
こんな感じですね。
では、2008人の問題も背理法を使って証明してみましょう。
まず、命題は「1回の合図で2人以上が抜けて、合図の回数の最大値は2008回である」ということです。
ということで、一回の合図で1人が抜けると仮定する。
男子が2008人、女子が2008人いるので、花束は2008個、チョコレートは2008個ずつ存在する。
男子が1人ずつ抜けて、男子全員、つまり2008人抜けたとする。
このとき、抜けた男子2008人は、女子から2008個のチョコレートを受け取っているはずである。
しかし、女子が2008人残っており、その女子はまだ交換が成立していない状態で2008個のチョコレートを持っているはずである。
ここで、チョコレートの合計は5016個となり、チョコレートが2008個あることに矛盾する。
したがって、一回の合図で2人以上が抜けることがわかり、全員が抜けるまでに必要な合図の回数は、5016(人)÷2=2008回となる。
長々となってしまいましたが、一見考えるのもためらう問題も、このように試行錯誤をしていくことで、解答が見えてくるのも数学の楽しさの一つでもあります。
小学生の低学年の子でも答を見つけられる子は見つけられるでしょう。
実際よくよく考えたら、当たり前じゃん。という話になりますし、低学年の子には、日常にある事象からそういう感覚を身につけてほしい気もします。
この命題は、高校数学で背理法を学習する際に、必ず扱う命題です。
背理法とは、命題のいうとおりでないものが存在すると仮定して、その条件から導き出される新たな等式が矛盾していることを示す方法です。下に、ざっと証明してみました。
こんな感じですね。
では、2008人の問題も背理法を使って証明してみましょう。
まず、命題は「1回の合図で2人以上が抜けて、合図の回数の最大値は2008回である」ということです。
ということで、一回の合図で1人が抜けると仮定する。
男子が2008人、女子が2008人いるので、花束は2008個、チョコレートは2008個ずつ存在する。
男子が1人ずつ抜けて、男子全員、つまり2008人抜けたとする。
このとき、抜けた男子2008人は、女子から2008個のチョコレートを受け取っているはずである。
しかし、女子が2008人残っており、その女子はまだ交換が成立していない状態で2008個のチョコレートを持っているはずである。
ここで、チョコレートの合計は5016個となり、チョコレートが2008個あることに矛盾する。
したがって、一回の合図で2人以上が抜けることがわかり、全員が抜けるまでに必要な合図の回数は、5016(人)÷2=2008回となる。
長々となってしまいましたが、一見考えるのもためらう問題も、このように試行錯誤をしていくことで、解答が見えてくるのも数学の楽しさの一つでもあります。
小学生の低学年の子でも答を見つけられる子は見つけられるでしょう。
実際よくよく考えたら、当たり前じゃん。という話になりますし、低学年の子には、日常にある事象からそういう感覚を身につけてほしい気もします。
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