2012年6月29日金曜日

一筆書きクイズ

今日は小学校低学年の子でも挑戦できる問題を。
下の図で一筆書きができる図はどれでしょう。一筆書きとは、ある場所からスタートして、同じところを二度通ることなく、その図を描くことを言います。一筆書きを始める場所はどこでも構いません。


さて、いろいろ試してみて下さい。
できたひとは、一筆書きができる図とできない図の違いを考えてみて下さい。

2012年6月27日水曜日

必要条件と十分条件

今日はマジメな教育論を一つ。
みなさん必要条件と十分条件という言葉をご存知でしょうか。
この言葉、高校数学の数学Aという分野に含まれている、高校生があまり好きでない単元の一つです。

まず、このお話をする前に、命題という言葉を説明しなければなりません。命題というのは、正しいか正しくないか判断できる議論のことを言います。

一般的に数学の世界では、何をあてはめても成り立つ場合、それを真、つまり正しいといい、何か一つでも当てはまらないことがあれば、それを偽、つまり正しくないといいます。

ここにAならばBという命題が存在していたとします。
この命題の真偽を考えた場合、例えば、Aという条件を満たすならばBはすべて成り立つということ、つまり真としておきます。また、Bという条件に対してAはいつでも成り立つものもあるがいつでも成り立っているというわけではないとき、この場合AはBに対する「十分条件」といい、BはAに対する「必要条件」といいます。
十分条件Aを満たす内容であればいつでもBが成り立ちますが、必要条件Bを満たす内容であったとしても、Aが成り立つとは限りません。

また、Aという条件を満たすならばBはすべて成り立つという前提で、Bという条件のもとAをいつも満たしているのであれば、AはBの必要十分条件といいます。

少し、文章が長くなってきたので、図で説明を。




まあこんな感じですね。

これを受験というものに置き換えて考えてみましょう。

例えば、参考書を選ぶとき、「東大生が選んだ東大に受かる参考書」なるものがあったとします。
この参考書を買おうか買わまいか迷ったとして、この参考書をやるならば東大に受かるという命題を作ったとします。この場合、参考書をやる=A 東大に受かる=Bとします。

作っている側は、東大に受かった人たちが選んだものをピックアップしているだけですが、実際に東大に受かった人しかいないわけですから、BならばAが成り立っているものとしましょう。では東大に受かるならば、この参考書をやるという目線で考えるとどうでしょう。東大に受かっている生徒全員がこの参考書をやっていればそれは真となりますが、やはりそうではないので、偽となります。
つまり、参考書をやるということは必要条件であり、東大に受かるというのは十分条件となります。

なるほど、先ほど述べたように、十分条件を満たしていれば、必ず成立しますから、その条件はと・・・・、東大生であること。いやいや、まだ受かってないですから。参考書をやるということは必要条件に過ぎないのです。

といった具合に、実は買う側の目線に立ってみれば、必要条件であることばかりで、十分条件を満たすような参考書なんてこの世に存在しないのかもしれません。ましてや、必要十分条件になる参考書なんてもってのほか、見つかるわけもありません。

そんな参考書があるのならば、ぜひ教えていただきたいですね。

参考書は十分条件を満たさない限り、受験に合格するため一方法であり、その方法が万人に当てはまるというわけではありません。

これを突き詰めていけば、教育が方法論となってしまい、子供は考える力を失っていきます。
できれば、その方法というのは自分で発見し、オリジナリティーの持ったものであってほしいと願います。そのヒントをあげるのが、塾講師の役目であり、参考書の役目であってほしいと私は願います。と同時に、プラウダスが、合格のための必要十分条件となる塾になれるよう日々努力していきたいと思います。

みなさんも参考書を選ぶことがあったら、自分にとって必要条件なのか、十分条件なのか考えてみてくださいね。



2012年6月24日日曜日

二進法って便利 麻布中学の問題からの発展2

さて、前回は二進法が十進法より情報量が少なく確実に表現できることをお伝えしました。
今回は二進法がデジタルの世界で、どのように使われているのか考えてみましょう。
デジタルは大ざっぱに言えば、0と1だけでできる信号をコンピューターに伝える技術です。具体例に「色の表現」を使いながら考えていきましょう。

色は光の三原色、色の三原色にに分けることができます。光の三原色はテレビやパソコンなどのディスプレイで用いられるもの、色の三原色は絵の具で用いられるものです。

パソコンのディスプレイなどでは光の三原色が用いられており、その三原色は、赤、青、緑の三色です。これら三色の光を混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど、光の持つエネルギーが大きくなるため、加法混色と呼ばれています。このとき、これら3つの色が混ぜ合わさった色を白色、何も混ざってない色は黒色になります。

この光の三原色を用いて各々の色の光の強さを調整し、混ぜ合わせると、ほぼすべての色を表現することが可能です。

現在では調整の度合いが、それぞれの色で0~255までの256段階となっており、赤も256通りの赤が選べ、緑色も256通り、青も256通り選ぶことができますから、この方法で表現できる色は実に
256×256×256=16777216通りにもなり、これを「フルカラー表示」といいます。例えばB(青)102 G(緑)102 R(赤)224 とすればそれらが合わさったが表現されるということです。人間の目はおよそ、700万色~1000万色を認識しているといわれ、この表現方法で十分だということもわかっています。

画像を認識する際、まずその表示したい画像をピクセルという小さなスペースに分割します。
日本では例えば、縦を320等分、横を480等分した場合、この一つ分を1ピクセルといい、320×480ピクセルという表現をします。すなわち、これらの数字が大きければ大きいほど、細かく分けられており、画像が鮮明になるということになります。

そのピクセル一つ一つには各色をどのように表示するのかという情報が書き込まれておりそれをビットと呼びます。1ビットというのは0か1、赤色1ビットであれば赤を使う(1)使わない(0)の2通りの命令を受け取ることができます。命令はすべて0と1の数字を使う二進法でやり取りされ、その桁数をビットと呼んでいるわけです。8ビットであれば8ケタの0か1を使った数字で命令できるということになりますね。10110100という色は十進法に直すと128+32+16+4=190番目の色ということになります。8ビットあればある色を0~255の256段階で表現することができますので、三色ありますから一つのピクセルが8×3=24ビットあれば、人間は画像をきれいだと認識することができます。

実際はもっと三色の要素以外に、透明度の情報も持たせて32ビットとなっています。
印刷会社では、48ビットの画像を用いたりもしますが。

このようにして、このピクセル一つ一つに色を割り当てたものが画像として認識されるのです。
数字が情報になるって不思議なことですが、0と1を使えばこうも簡単に表現できるわけです。
とはいえ、コンピューターの進化があってこそのお話ですけどね。
みなさんも、二進法の世界に一歩足を踏み入れてはいかがでしょう。