2012年8月19日日曜日

ジュニア数学オリンピックの解説2

背理法で一番有名な命題を考えましょう。


この命題は、高校数学で背理法を学習する際に、必ず扱う命題です。

背理法とは、命題のいうとおりでないものが存在すると仮定して、その条件から導き出される新たな等式が矛盾していることを示す方法です。下に、ざっと証明してみました。



こんな感じですね。

では、2008人の問題も背理法を使って証明してみましょう。

まず、命題は「1回の合図で2人以上が抜けて、合図の回数の最大値は2008回である」ということです。

ということで、一回の合図で1人が抜けると仮定する。

男子が2008人、女子が2008人いるので、花束は2008個、チョコレートは2008個ずつ存在する。

男子が1人ずつ抜けて、男子全員、つまり2008人抜けたとする。

このとき、抜けた男子2008人は、女子から2008個のチョコレートを受け取っているはずである。
しかし、女子が2008人残っており、その女子はまだ交換が成立していない状態で2008個のチョコレートを持っているはずである。

ここで、チョコレートの合計は5016個となり、チョコレートが2008個あることに矛盾する。

したがって、一回の合図で2人以上が抜けることがわかり、全員が抜けるまでに必要な合図の回数は、5016(人)÷2=2008回となる。

長々となってしまいましたが、一見考えるのもためらう問題も、このように試行錯誤をしていくことで、解答が見えてくるのも数学の楽しさの一つでもあります。

小学生の低学年の子でも答を見つけられる子は見つけられるでしょう。

実際よくよく考えたら、当たり前じゃん。という話になりますし、低学年の子には、日常にある事象からそういう感覚を身につけてほしい気もします。

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