2012年10月25日木曜日

有理数と無理数

中学校3年生で習うこの言葉。

この言葉を学習することで、実数全体を学習することになります。

数を初めて学習するのは、小学校1年生。

1,2,3,4,5・・・

自然数です。

小学3年生4年生にもなると0.1,0.2,2.58などの小数や4/5,3/2の分数といった0と1の間にある数字を

学習します。

この0と1の間の数字。理解できていない小学生が意外に多いこと多いこと。

例えば

20ℓ入る水槽に水を毎分4ℓずつ水を入れていくとき、水があふれ出すのは何分後ですか?

この問題の答は5分後であるが、0と1の間の数を認識していない人は6分後と答えてしまう。

この質問をこう変えると正答率はほぼ100%になります。

20ℓ入る水槽に水を毎分4ℓずつ水を入れていくとき、水がいっぱいになるのは何分後ですか?

こう質問すれば、みんなが5分後と答えます。

この2つの質問の違いはなんでしょう。

それは、いっぱいになる=あふれるという認識がないことが考えられます。6分後と答えてしまう生

徒の頭の中では、いっぱいになる→あふれるという考えになっていて、いっぱいになった次にあふ

れるというところに行きつきます。この、「次」という言葉が問題で、1より細かい数をきちんと認識で

きていない子は、その「次」という言葉で5の次は6だから6分後!と答えてしまうのです。

次の質問はこんな感じです。

一の位を四捨五入して50になる数の範囲を答えなさい。

この質問の答えは45以上55未満。

1より細かい数字をちゃんと認識していない子は、45以上54以下と答えます。

今、数に「整数」という制限がない以上、この答えは大間違いです。

54.2や54.3333や54.999999999も一の位を四捨五入すると50になります。

一回目は罠ということで、たとえ間違えたとして笑えたとしても、2回目以降は黄色信号がともってし

まいます。1より細かい数字をちゃんと認識していない子はその事実すら受け入れることができない

ですから、2回目以降間違えると、理解していないんだなと思ってください。

小数や分数は比較的低学年で学習するのに、数として認識している子はとても少ないです。

それは、日常生活にあまりなじみのない数字だからです。

外国に行けば、分数は行き過ぎていたとしても、2.5ドルや3.6ユーロなどといった小数表記もありま

すし、それなりに身近になるでしょう。

でも、小数を習ったり、分数を習ったりする度に海外で生活していては、お金がかかりすぎます。

数直線などを駆使して、新しい数の広がりの喜びを共感してあげることが必要です。

1~10000までの自然数を数えられる子供が0.1という数字を学習することで100000個の数字を操

作できるようになり、1という大きさを5等分した1つ分1/5という数を学習することで、50000個もの数

字を操作できるようになっていることに気づかせてあげること、そしてそこに喜びを感じられる生徒

が、算数の猛者となっているのです。

7/11分後という数字が出てきてもそんなのあり得ないとか言わず、数字として受け入れられる生徒

が必要ですね。整数だけの世界から早く抜け出してほしいものです。

中学生になって無理数を学習して、長方形の長さを求める問題で、1+√3 cmとなっていって

も素直に受け入れられるはずです。

ちなみに、有理数と無理数の量を比べると有理数1に対して無理数は無限に広がっています。

したがって、今話したような小数や分数の数すら制覇できないようでは、高校生以降の無理数まで

扱うレベルは太刀打ちできないということです。

新しい数を学習したら、その都度その数を扱えることになる数の広がりを認識しましょう。



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